結論から申し上げると乾燥機能をよく使うならドラム式、乾燥機能を使わなくて外や家の中に干すのなら縦型を選ぶのが良いでしょう。
以下にその理由の説明と洗濯の際に気をつけておきたいポイントなど解説いたします。
洗濯記号の見方
洋服の左脇に付いているタグには洗濯記号が付いています。
この中で今回注目したいのが干し方と乾燥のしかたです。洗濯の方法や漂白の仕方は表を見ていただいたら分かるかと思うので割愛します。
平干し
タンブル乾燥不可
一般的に洗濯物を干すときはハンガーにかけて干すと思いますが、ニットなど濡れた状態でハンガーで干すとビロビロに伸びてしまうものには下の画像のような平干しネットを使用して干します。
このような衣類はサイズが簡単に伸び縮みするため、乾燥機能は使えません。
タンブル乾燥不可のタンブル乾燥とは温風を当てながら回転させて乾燥させる仕組みです。
縦型、ドラム式どちらも乾燥の方法にタンブル乾燥を使用していることが多いので服の傷みを気にする方は乾燥機能が売りのドラム式は適していないと考えられます。縦型の乾燥方法はヒーター式が多く、ドラム式のヒートポンプ式と比べるとかなり温度が高くなるため縦型であっても乾燥機能を使うと衣類は傷んでしまいます。
この「洗濯のしかた」に載っている洗濯の方法は私の知っている限りほぼ全て縦型の洗濯機で洗濯をして検査しています。
これは日本では縦型の洗濯機が一般的であると消費者庁が認識しているからというのもありますし、実際の洗濯機の普及率も縦型が一番多いからなんです。
日陰つり干し
日陰平干し
ちなみに服の干し方の豆知識ですが、服はほとんど全て陰干しです。太陽に当てることは推奨されていません。太陽の光にあたることで色焼け、色落ちやプリントの劣化に繋がるからなんですね。まっしろの服でも日に焼けると黄色くなります。
洗濯機の洗浄力の違い
縦型の洗濯方法
縦型洗濯機の洗濯方法はたっぷりと溜めた水を勢いよくかき回して衣類同士がこすれた力で汚れを取るため、洗浄力が高いのがポイントです。特に泥汚れや油汚れなど頑固な汚れに効果を発揮します。
ただし、洗浄力が高い分衣類はドラム式と比べると傷みやすくなります。
乾燥機能はヒーター式を採用しているものが多く、ヒートポンプ式と比べると電気代が多くかかり、温度も高いため衣類が傷みやすくなります。
縦型の乾燥機能はあくまでもおまけ程度に考えていた方が良いかも知れません。
ドラム式の洗濯方法
ドラム式の洗濯槽は横やななめに設置されているため、ドラムが回転してまんべんなく衣類に水がいきわたるり、少量の水で洗濯を行います。(機種により水量が多いものもあります)
ドラム式の洗濯機の洗濯方法は洗濯槽が横やななめに回転して衣類を上から下へと叩き落とす仕組みとなっており、縦型洗濯機の衣類同士をこすり合わせる方法よりも衣類が傷みにくいという特徴があります。
ただし、その構造上縦型洗濯機と比べると洗浄力は劣ります。
乾燥機能はヒートポンプ式を採用しているものが多く、縦型と比較すると費用も抑えられるため頻繁に乾燥機能を使用する方にはドラム式がおすすめです。ただし、安い廉価機種だとヒーター式を採用していることがあるので注意が必要です。
洗濯機に乾燥機能が付いたのが縦型洗濯機。乾燥機に洗濯機能が付いたのがドラム式洗濯機と考えるのがイメージしやすいと思います。
洗濯機のランニングコスト目安
ランニングコストは機種により消費電力、使用水量が異なるので下記のコストはあくまでも参考程度にしてください。
- 使用水量はドラム式が少なく、縦型が多くなっています。だいたいその差は2倍くらいです。
- 使用電力量はドラム式(乾燥方法ヒートポンプ)が少なく、縦型(乾燥方法ヒーター)が多くなっています。だいたいその差は1.5倍くらいです。
- 乾燥時の使用電力量もドラム式が少なく、縦型が多くなっています。だいたいその差は2〜3倍くらいです。
上記を踏まえてパナソニックの容量が同じくらいの現在の最新式洗濯機で一回の洗濯のコストを計算してみます。
ドラム式使用水量:83L使用電力量:68Wh乾燥消費電力量:890Wh
縦型使用水量:使用水量:150L使用電力量:98Wh乾燥消費電力量:2290Wh
※水道代は1リットルあたり0.2円、電気代は27円で計算します。
縦型:水道代150×0.2=30円電気代0.098×27=約3円(乾燥時電気代約62円) 乾燥無しの場合、一回あたり約33円 毎日一回洗濯したとして月に990円ほどです。毎日洗濯乾燥したとしたら月に1860円ほどです。
ドラム式:水道代83×0.2=約17円電気代0.069×27=約2円(乾燥時電気代約24円) 乾燥無しの場合、一回あたり約19円 毎日一回洗濯したとして月に570円ほどです。毎日洗濯乾燥したとしたら月に1230円ほどです。
その差は月に320円、年3,840円ほどになってきます。毎日洗濯乾燥したとしたらその差は月に630円、年7,560円ほどになってきます。
ランニングコストで見るとドラム式の方が安くなっていますが一般的にドラム式の方が機種代が高く、縦型の方が安くなっていることが多いです。
また、特に注意してほしいのがドラム式はその構造上故障が多いのが特徴です。
洗濯機の寿命はおよそ6〜7年といわれています。よってランニングコストは安くても機種代、修理代、あるいは保証料金を含めると費用はドラム式の方が高く付く可能性も充分あり得ます。
まとめ
縦型 洗浄力が高いので汚れが付きやすい仕事をしている人などにおすすめ。機種も安いものが多くて省スペースで使用出来る。ただし、乾燥をたくさん行う場合は電気代が高くなります。
ドラム式 乾燥機能が優れているので乾燥をたくさん行う場合はおすすめ。ただし、故障しやすく機種も高くなるので結果的にコストが高くなる可能性がある。また、幅が広くてドアも横開きなので設置出来ない場合もある。
管理人の使っている洗濯機
上記のことを踏まえて管理人が使っている洗濯機は最新式のドラム式洗濯機です。洗剤が自動投入されるやつ。業務用のでかい洗剤をAmazonで買って、減ってきたら適当に補充してます。
ドラム式は洗浄力が弱い分、ただ洗濯しただけでは衣類が傷みにくいので大事にしたいお気に入りの服は乾燥せずハンガーに干しています。それ以外の着古してもいい服、パジャマ、タオルなんかは洗濯絵表示も気にせずガンガン乾燥機を回してしまいます。
管理人はめんどくさがりなので干す手間が省ける乾燥ばかり使っています。時間の節約になりますし、本当は畳むのも面倒なので洗濯機にタオルとか畳んでほしいのですが、まだまだそんな技術は出てこないですね。もうぐちゃぐちゃに入れてくれて良いのでタンスに乾燥したタオルを勝手に入れてくれる機能が欲しいです。
おまけ
ヨーロッパではドラム式の洗濯機が一般的です。雨が少なく水が貴重なので少ない水で洗濯出来るドラム式が都合が良かったのでしょうね。また温水を使って洗濯をするのが普通なのでドラム式の弱い洗浄力でも問題がないのです。
アメリカではなんとガラパゴスな洗濯機が使われているようで衣類の検査機関ではA型洗濯機、またはアジテータ式と呼ばれています。(ちなみに日本の縦型がB型、またはパルセータ式。ドラム式がC型)縦型洗濯機の中に棒が入っていて撹拌することで、より汚れが落ちるようになっているようです。これは日本では軟水を使って洗濯をしているので泡立ちが良くて汚れがよく落ちるのですが、アメリカでは硬水なのでガシガシ洗わないと汚れが落ちにくいことが関係しているようですね。
管理人はmade in USAの服が好きです。上記理由も含めて丈夫な生地を使っています。でも作りが雑だったり縫製が甘かったりして自分で直すのが当たり前みたいなのも不思議と愛着がわいてきます。
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